蔵元めぐりマップ

株式会社 奄美大島にしかわ酒造
浜千鳥
住 所:891-7105 鹿児島県大島郡徳之島町白井474−565
Tel:0997−82−1650
創 業:昭和25(1950)年
蔵人数:13人
代表者:西川 明寛(にしかわ・あきひろ)
杜 氏:永喜 竜介(えいき・りゅうすけ)
主な銘柄:「島のナポレオン」「あじゃ」「あじゃ黒」
http://syuzouonline.shop-pro.jp/

豊かな水とサトウキビ畑に囲まれた、癒しの蔵

amami.jpg 徳之島は、奄美群島の島々のなかでも最も耕地面積が大きく、比較的平坦な土地を生かしたサトウキビや赤土ばれいしょ生産などの農業がさかんな島だ。徳之島町白井の長閑(のどか)な田園地帯に立地する、(株)奄美大島にしかわ酒造。工場の周囲には緑のサトウキビ畑が広がる。
 同社は銘柄「まる芳」を製造していた芳倉酒造を前身とし、平成2(1990)年、運輸・ホテル・流通などを担う「にしかわグループ」の酒造部門として社名変更。事業拡大にあたり平成16(2004)年、伊仙町面縄(おもなわ)から水の良いこの地に工場を移転し、飲料水及び酒類の製造を行っている。
 白麹(こうじ)仕込み常圧蒸留の代表銘柄「あじゃ」の他、黒麹仕込み常圧蒸留の「あじゃ黒」、白麹仕込み減圧蒸留の「島のナポレオン」、原酒に島唄を聴かせて熟成させた「ざわわ」、ハブと七種の薬草を漬けこんだリキュール「ハブ酒」など多彩な製品を世に送り出している。

kametomita.JPG 仕込みと割水に使用しているのは、蔵の地下190メートルから汲み上げた中硬水。約一億年前の中生代に形成された珊瑚(さんご)層を含む硬い岩盤を数万年の時をかけ浸透した水で、ミネラル分のバランスに優れ、焼酎がキレのいい味に仕上がるという。
 この水は「長寿の島の水」として島内外の酒販店で販売するほか、インターネットでの通信販売も行っている。同じ水を使っている自社銘柄はもちろん、ウイスキーなどを割るのにも相性が良い。また、鍋料理やしゃぶしゃぶに使用すれば、肉の臭みが出ず旨味が引き出され美味しく仕上がるという。

DSCN0275.JPG 工場内の機器はどれも清潔に磨きあげられ、2階の製麹(せいきく)機から1階の三角棚へ、そこからベルトコンベアーで一次仕込み用の甕(かめ)へと、工程がスムーズに進むようシステマティックに設計されている。
 甕(かめ)で仕込んだ一次もろみに二次・三次の2回に分けて溶かした黒糖を加え、ステンレスタンクに仕込む。発酵(はっこう)中のもろみは温度管理システムで監視され、発酵が進み過ぎて温度が上がった際などに自動制御で冷却を行う。便利なシステムだが、もろみの状態をチェックし必要に応じて櫂(かい)入れを行うなど、人の手は常に欠かせない。

DSCN0266.JPG 蒸留機は、銘柄別に常圧・減圧の二つの蒸留機が稼働する。原酒を貯蔵するタンクはステンレス・甕・屋外地下タンクがあり、それぞれ「原酒そのものの風味がストレートに出やすい」「熟成が早く進み甕由来の豊かな風味をもたらす」「安定した環境でじっくり熟成が進み台風などの災害に強い」という特長を持つ。
 奄美群島は台風銀座とも呼ばれ、年に6〜7回の台風に見舞われる。面縄の海辺に在った以前の蔵では、勢力が強く動きの遅い台風に度々悩まされ、貯蔵タンクが損傷するなどの被害もあったため、新工場への移転時に地下貯蔵タンクを導入したという。

DSCN0494.JPG 杜氏(とうじ)を務める永喜竜介さんは、平成16(2004)年に入社し先代の黒瀬杜氏のもと経験を積んできた。造りに関する考えの違いから先代杜氏との間で度々衝突もあったというが、努力家で研究熱心な永喜さんは、徐々にその腕を認められ最後には造りを任され、先代杜氏が引退するにあたり杜氏の職を継ぐこととなった。若い肩に蔵を率いる重みがかかる。「杜氏を継いだ際のプレッシャーは相当でした。」と永喜さんは語る。
 黒糖焼酎の造りは秋が深まる11月頃から始まり、蔵をまとめる杜氏は5月頃まで休みなく造りに向き合う。「造りの工程は常に心配で気が抜けません。蒸留してすぐはまだ味が荒く、熟成の過程を追って手を入れ、製品にできるまで時間もかかる。ほっとできるのは、全ての工程が終わって焼酎が瓶詰めされた時ですね。」造りがピークとなる冬場には、毎年ガリガリに痩せてしまうという。
 毎日同じ作業を繰り返す中、蔵子達の士気を保つのも杜氏の大切な仕事だ。「自分は若輩者ですから。自分が一生懸命やっているところを見せるだけ。そうすれば皆が付いてきてくれると思っています。」
 現在、樽(たる)貯蔵の銘柄は製造していないが、蔵の一角に真新しい樫樽(かしだる)が一丁置いてあった。「樽貯蔵も研究しています。」
 戦後の税改正に伴い今のような形に定まった奄美黒糖焼酎。その歴史は清酒などに比べてまだ浅く、それだけ研究や開発の余地は多いといえる。「もっとこうしたらどうか。焼酎造りは常に課題が浮かび、終わりがありません。」真っ直ぐな若い杜氏が率いる蔵のこれからの挑戦が楽しみだ。


奄美大島にしかわ酒造流、奄美黒糖焼酎の楽しみ方

DSCN0504.JPG 杜氏の永喜さんは「水割りかお湯割りで、ツマミ無しでひたすら呑むスタイル」だという。広報担当の三上さんに、奄美大島にしかわ酒造で提案する黒糖焼酎にぴったりの料理を教えていただいた。
 ごま油とタカノツメでピリ辛に炒めた大根の短冊切りと豚バラ肉の薄切りを砂糖、みりん、濃い口醤油、塩で味付けした大根と「豚肉のきんぴら」は、黒糖焼酎のコクを引き立て、酒がすすむ一品。



蔵見学について

DSCN0253.JPG見学可
時間帯 10:00〜16:00
休 日 土曜・日曜・祝日
駐車場 有(10台)
要予約(三日前までにお申し込み下さい)
問合せ先 Tel:0997−52−0043
e-mail:syuzou_online@nisikawa.net 


見どころ

 (株)奄美大島にしかわ酒造飲料事業部で製造する「長寿の島の水」は、約1億年前の中生代に形成された珊瑚層を含む硬い岩盤を数万年の時を越えて浸透した、自然のミネラルを豊富に含んだ天然水。

 蔵に隣接するショールームでは、同水をボトリングする工程を見学できるほか、同水や「あじゃ」「島のナポレオン」など同社が製造する奄美黒糖焼酎を試飲・購入できる。

 蔵の裏手には同社が試験栽培するサトウキビ畑もあり、見学が可能。


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