蔵元めぐりマップ

喜界島酒造 株式会社
浜千鳥
住 所:891-6201 鹿児島県大島郡喜界町赤連2966−12
Tel:0997−65−0251
創 業:大正5(1916)年
蔵人数:26人
代表者:上園田 慶太(かみそのだ・けいた)
杜 氏:上園田 慶蔵(かみそのだ・けいぞう)
主な銘柄:「喜界島」「しまっちゅ伝蔵」「キャプテンキッド」
http://www.kurochu.jp/

喜びの島が育む、喜びの酒「喜界島」

説明:
amami.jpg 喜界島で奄美黒糖焼酎を造る二つの蔵の一つ、喜界島酒造(株)。その原点は大正時代にさかのぼる。
 杜氏の石川すみ子氏が大正5(1916)年に旧喜界村・赤連(あがれん)で酒造所を創業している。島内では以前より集落などで自家用の焼酎製造が行われており、同氏は島内の酒造所で技術指導を行ったと言われている。
 昭和42(1967)年にすみ子氏は二男の石川春雄氏に酒造所を承継、同時期に社名を石川酒造(株)とした。この石川酒造を前身として、昭和48(1973)年に喜界島酒造(株)へ社名変更。代表銘柄を「喜界島」と改めた。
 その後、昭和53(1978)年に蔵を現在地へ移転。酒造業として宮崎の幸蔵酒造(株)、ほか不動産やタクシー会社などを擁するグループ企業だ。
 現代表を務めるのは40代の若手経営者、上園田慶太さん。平成14(2002)年に36歳で酒造部門を任され、4年後の平成18(2006)年に経営の全てを引き継いだ。奄美黒糖焼酎業界のPRに意欲的に取り組み、若い造り手達の集まる青年部活動ではまとめ役を務める。

説明:
kametomita.JPG 黒糖焼酎の主原料黒糖は、沖縄産のほか不足分は海外産を使用する。麹(こうじ)はタイ米を使用した白麹仕込み。タンクに仕込んだもろみは約30分〜1時間おきに温度や状態を確認し、よりよい発酵(はっこう)状態を保つために十分な注意を払っている。蒸留は、原料の風味と旨味を引き出す昔ながらの常圧蒸留。
 丁寧な造りが生み出す、香り・旨味・味わいのバランスに優れた製品は、熊本国税局主催の焼酎鑑評会や鹿児島県酒造組合主催の鑑評会、ベルギーのモンドセレクション等、これまでに様々な大会での受賞歴を誇り、事務所の壁には賞状やトロフィーがずらりと掲げられている。

説明:
DSCN0275.JPG 喜界島に着いたその日に、別名「太谷口鍾乳洞」とも呼ばれるウフヤグチ鍾乳洞に案内していただいた。
 その日は雨で、雨水が洞穴の上から伸びたガジュマルの根を伝い岩肌を濡らしていた。雨音を聴きながら水の流れが石灰質の岩を穿ち、水滴が鍾乳石を造っていく時間をしばし想像した。隆起サンゴ礁の島である喜界島では、天水が石灰質の岩盤を浸透するうちにミネラル分を含んだ硬水となり、地下洞に溜まる。
 「味や香りを作っているのは、極わずかの成分。焼酎の多くの部分を占めているのは、水なんです。」と上園田さんは語る。蔵のこだわりの一つは水。仕込み水に使用するのは、蔵から2キロ離れた山間部にある水源地の地下30メートから汲み上げた硬水。豊富なミネラルが栄養となり、麹や酵母(こうぼ)の発酵を促してくれる。
 ところが、この水で原酒を割るとアルコールの刺激感が強調され、ミネラルが瓶内で焼酎の油脂分と化合してオリを作ってしまい、具合が悪い。そこで、割水には軟水化処理した水を使い、ブレンド・瓶詰め・出荷している。

説明:
DSCN0275.JPG 蔵のこだわりのもう一つは、貯蔵・熟成。蒸留したての原酒の荒々しさは、じっくりと時間をかけて熟成することで芳醇な香りと円やかさへ変化する。
 工場内と屋外に総貯蔵容量約4,000キロリットルの貯蔵タンクを所有し、貯蔵・熟成に力を入れる。各銘柄の味は、これらの原酒をブレンドして造られる。
 代表銘柄の「喜界島」は、1年以上貯蔵した原酒と長期熟成酒をブレンドし深みのある味わいに仕上げる。「しまっちゅ伝蔵」は、2年熟成の常圧蒸留酒。3年古酒がベースの「三年寝太蔵」は、本格古酒を手軽に味わえる銘柄としてヒット商品となった。樫樽(かしだる)貯蔵の「キャプテンキッド」は、原酒を樽で熟成させ、明るい琥珀色とラムのような甘い香りが特長。
 蔵の裏手、東シナ海を見渡せる海辺の巨大なタンクには原酒が波音を聴きながら眠り、出荷の日を待っている。

説明:
DSCN0494.JPG 蔵では喜界島産の黒糖を使用した黒糖焼酎の製品化に向け、平成21(2009)年よりサトウキビの自社栽培を始めた。
 焼酎製造時に出来る焼酎粕をタンクローリーで畑に運び、肥料に使用している。焼酎粕は良い栄養になるようで、自社で開墾したという広さ一町歩(約1ヘクタール)の畑には青々としたキビが伸びる。
 この黒糖を原料に造った製品は、限定品として製品化される。上園田さんは、自社栽培のキビから造った黒糖焼酎の本格生産に向け、畑を増やしていきたいという。
 蔵では消費者ニーズに応じた商品開発に加え、奄美黒糖焼酎の愛称を「くろちゅう」と名付け、パプリカやシソなどの香味野菜を使った飲み方を提案するなど、努力と工夫で奄美黒糖焼酎の普及に力を入れる。「喜びの島が育む喜びの酒」をキャッチフレーズにオンリーワンの酒造りを目指し、喜界島から全国の市場へ挑み続けている。

     取材協力:喜界島酒造(株) 
     参考文献:「喜界町誌」(2000年) 


喜界島酒造流、奄美黒糖焼酎の楽しみ方

説明:
DSCN0504.JPG お客さんが来ると蔵の皆が揃ってバーベキューでもてなすのが、喜界島酒造流。炭火で温めた岩塩に乗せて焼いた肉や野菜は、ほんのり塩味が移り美味しい。
 食中酒には「しまっちゅ伝蔵」。上園田さんお勧めの唐辛子とシソを入れたお湯割りは、爽やかな香りとともに体がポカポカと温まってくる。黒糖焼酎を片手に、造り手たちと火を囲んでの会話が弾んだ。


蔵見学について

説明:
DSCN0253.JPG見学可
時間帯 お問い合わせください
休 日 第二第四土曜・日曜・祝日
駐車場 有(10台)
要予約
問合せ先 Tel:0997−65−0251


見どころ

 近くに奄美黒糖焼酎の蔵「朝日酒造(株)」がある。

 「ウフヤグチ鍾乳洞」は、別名「太谷口鍾乳洞」とも呼ばれる。戦時中に日本軍の防空陣地として使用され、石筍が取り除かれるなど人の手が入った跡がみられる。照明など未整備なので、見学は滑りにくい靴と懐中電灯持参で。

 喜界島のあちこちに残る「珊瑚の石垣」は、かつては奄美群島の各地で見られたもの。島東部の阿伝集落には、潮風を防ぐため珊瑚を加工して高く積まれたものなど様々なスタイルの石垣が残り、隆起サンゴ礁の島・喜界島を実感できる。


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