蔵元めぐりマップ

沖永良部酒造 株式会社
浜千鳥
住 所:891-9122 鹿児島県大島郡和泊町玉城字花トリ1999−1
Tel:0997−92−0185
創 業:昭和44(1969)年
蔵人数:5人
代表者:徳田 實彰(とくだ・さねあき)
工場長:村山 治俊(むらやま・はるとし)
主な銘柄:「稲乃露」「はなとり」「えらぶ(以上共同瓶詰)」
http://www.erabu.net/hanarenbo/

ブレンドの技が光る、えらぶの共同瓶詰販売会社

amami.jpg 沖永良部島の四つの蔵で構成する共同瓶詰販売会社、沖永良部酒造(株)は、和泊町・玉城の県道沿いに建つ。創業の背景には、小規模事業者の近代化と産業育成を図る国の政策があった。
 昭和39(1964)年、焼酎製造業は中小企業近代化促進法の指定業種とされ、家族経営の小さな蔵は合併や共同瓶詰などで協業化を求められた。国税局からの行政指導もあり、奄美群島に先駆けて昭和40(1965)年に徳之島で奄美酒類(株)が設立された。奄美大島でも昭和45(1970)年に奄美第一酒類(株)が設立されたが、後に解散している。
kametomita.JPG 沖永良部島では島内の徳田酒造(株)(代表銘柄「稲乃露」)、(有)竿田酒造(同「初泉」)、(有)沖酒造(同「旭桜」)、(有)神崎産業(同「幸福」)、原田酒造(株)(同「満月」)、新納酒造(株)(同「天下一」)の六つの蔵が集まり、昭和44(1969)年、和泊町・和泊の徳田酒造隣に沖永良部酒造が設立された。
 創業時の代表銘柄は「えらぶ」。当時加盟していた島内全蔵の原酒をブレンドし、透明瓶に琉球紅型をあしらった黄色のラベルで統一銘柄「えらぶ」として販売を開始した。
 その後、原田酒造と新納酒造の2が沖永良部酒造より脱退。平成14(2002)年に工場を現在地へ移転。現在は代表銘柄を「稲乃露」とし、徳田酒造・竿田酒造・沖酒造・神崎産業の四つの蔵が加盟し、徳田酒造先代の徳田實彰さんが代表を務めている。

kametomita.JPG 現・代表銘柄の「稲乃露」は、徳田酒造より発売され沖永良部酒造へ引き継がれた銘柄。そのラベルは、密かな変遷を辿っている。
 「稲乃露」は当初泡盛の銘柄として発売された。戦後は米麹と黒糖を使用する黒糖焼酎に変わっていたが、ラベル上では「泡盛」と表記されている。奄美の島々では様々な原料で蒸留酒を造っていた伝統があり、原料によらず酒を泡盛と呼んでいたため、ラベルでも通りのいい「泡盛」としていたようだ。
 昭和44(1969)年に徳田酒造が沖永良部酒造へ加盟後、同社より発売された際のラベルでは、表記を「黒糖酒」と改めている。これには、「泡盛」表記について沖縄の酒造業者より注意を受けた経緯があったという。
 平成21(2009)年に「奄美黒糖焼酎」が地域団体商標に登録されてからは表記を「奄美黒糖焼酎」と改め現在に至っている。

DSCN0275.JPG 代表銘柄「稲乃露」は、常圧蒸留の甘さとコク、約1年以上の貯蔵による円やかさが特長だ。
 減圧蒸留の「はなとり」は久米島の海洋深層水を割水にブレンドし、円やかな味に仕上げている。
 「花恋慕」は「稲乃露」と「はなとり」の原酒をブレンドし、奄美黒糖焼酎では初の音響熟成装置を導入した銘柄。同名の町おこしソングを聴かせながら貯蔵され、香り高くスッキリとした味わい。
 竿田酒造・沖酒造・神崎産業が造る常圧蒸留の原酒をブレンドした「えらぶ」は、三種の原酒のブレンドによる豊かな香りと濃厚な味わいが特長。
 「えらぶ」を樽(たる)に貯蔵した「白ゆり」は濃厚さに樽由来の甘い香りとコクが加わり、沖永良部時間特産の白ゆりを思わせるエレガントな味わい。
 ほかにも、和泊町商工会青年部がキビの刈り取りから焼酎造りまで携わる限定生産の「めんしょり」や、樽に貯蔵した島内限定銘柄「まぁさん」など、多彩な商品開発を行っている。

DSCN0266.JPG 製造と瓶詰め販売を分業することで蔵は製造に特化し、瓶詰め設備など経費を抑えることができる。島外での催事販売など、販売力も強化できる。また、異なる原酒をブレンドすることにより味に奥行きが生まれ、品質も安定するという。
 それぞれ味わいの違う各社の原酒をブレンドし、銘柄ごとの味を仕上げるのは、ブレンダーの村山治俊工場長。昭和53(1978)年に入社し、始めは事務をしていたが、前工場長の退職に伴い、昭和59(1984)年より工場長を務める。
 同じ社内でも畑違いの仕事に就いて大変なご苦労があったのではと尋ねると、「前の工場長のしている仕事をずっと見ていたからね。」と笑顔が返ってきた。常に蔵へ足を運び、貯蔵されている原酒の状態を見極めた上で次に何を造るかを決めているという。造り手が丹精込め、時によって磨き上げられた原酒の味わいを最大限に活かせるよう、日々取り組んでいる。

     参考文献:「本格焼酎産地の形成史概観」(熊本学園大学産業経営研究所 2000年)
          「焼酎楽園 vol.11」(金羊社 2003年)
     取材協力:徳田酒造(株)


沖永良部酒造流 奄美黒糖焼酎の楽しみ方

DSCN0504.JPG 減圧蒸留20度の「はなとり」を、ロックで。飲みやすい度数に割水してあり、クセのないサラリとした飲み口とほのかな甘さが楽しめる。
 おつまみには、島でとれた青いパパイヤを醤油に漬けた「パパイヤ漬」や、「ひじきと細切り人参、白ごまの漬物」、地元で作っている「かまぼこ」を。更にシッカリした味わいや香りがお好みの方へは、「はなとり」25度もある。


蔵見学について

DSCN0253.JPG見学可
時間帯 13:00〜17:00
休日 日曜・一部祝日
駐車場 有(10台)
要予約
問合せ先 Tel:0997−92−0185
e-mail:hanarenbo@erabu.net


見どころ

 工場に隣接する「花トリ公園」では、ガジュマルなど様々な亜熱帯の植物を観賞できる。社長の徳田實彰さんが自ら開墾し、丹精込めて造り上げた植物園だ。

「タラソおきのえらぶ」は、沖永良部島周辺のきれいな海水を引き込んだ温水プールで身体を動かす海洋療法を体験できるセラピー施設。水着やタオルなどはレンタルしているので、手ぶらでも入場可能。


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