蔵元めぐりマップ

株式会社 奄美大島開運酒造
浜千鳥

住 所:894-3301 鹿児島県大島郡宇検村湯湾2924−2
フリーダイヤル:0120−52−0167
創 業:昭和29年(1954)年
蔵人数:42人
代表者:渡 慶彦(わたり・よしひこ)
杜 氏:高妻 淑三(こうづま・よしみ)
主な銘柄: 「れんと」「FAU」「うかれけんむん」「紅さんご」
http://www.lento.co.jp/

宇検村発、世界へ。地域興しに挑戦する蔵

DSCN0321.JPG 代表銘柄「れんと」を造る蔵、(株)奄美大島開運酒造の工場は、奄美大島の島建て伝説が残る霊峰・湯湾岳の山ふところ、穏やかな焼内湾の入り江に面した宇検村湯湾にある。
 同社の前身は、旧名瀬市・伊津部で「東富士(あずまふじ)」「紅さんご」などを造っていた創業昭和29(1954)年の(資)戸田酒造所である。
 宇検村出身でホテル業などを営んでいた渡博文氏(現・会長)が、納入業者としてホテルに酒を納めていた戸田酒造所より後継者不在のため事業を譲りたいとの相談を受け、酒類製造免許を譲り受けたのは平成8(1996)年、渡氏が63歳の時のことだった。
 生まれ故郷の村に産業を興そうとサトウキビから作るキビ酢の開発に取り組んでいた渡氏は、良質な水に恵まれた宇検村で酒造業を興すことを決意し、翌年、宇検村・湯湾に最新設備を導入した工場を完成させた。
 当初はホテルの従業員数名を蔵子とし、知識も経験も無い素人集団で始めた手探りの事業だった。製造技術は鹿児島県工業技術センターで醸造の基礎を習い、技術顧問に鹿児島より迎えた黒瀬杜氏(とうじ)のもとで徹底的な造りの指導を受け、「Lento(現・れんと)」が誕生した。
 当時には珍しいブルーのボトルは渡氏の発案で、宇検村の美しい海の色をイメージしたもの。銘柄名の由来となった「Lento」は「ゆっくりと」という意味の音楽用語で、社内公募により決定された。
 創業時から島外へ向けた販売促進と女性ファンへ向けた商品開発を意識し、初代杜氏の渡悦美さんらが中心となり、減圧蒸留と音響熟成による爽やかな香りとまろやかな口当たりを実現させ、女性が手に取りやすいようボトルのデザインなどにも工夫を重ね、首都圏など大都市圏での販売を拡大してきた。
 平成23年末現在、総出荷量の約7割を島外へ向けて出荷しており、アメリカや東アジア地域へも輸出を行っている。現在は銘柄名を「れんと」と表記し、奄美の海と空をイメージしたラベルとなっている。

DSCN0327.JPG 「れんと」は、湯湾岳山系の伏流水を使い、酵母を変えた「味わい系」「香り系」二種類の原酒をブレンドしている。
 麹(こうじ)はタイ米を使用し、銘柄により白麹と黒麹を使い分ける。
 1年を通して造りを行うため、冬場は地元宇検村産、沖縄産や加計呂麻島産を主に、夏場は外国からの黒糖を調達し使用している。
 もろみは蒸留温度の低い減圧蒸留で蒸留され、甘くフルーティーな香りが引き出される。蒸留された原酒は屋外の貯蔵タンクで貯蔵熟成された後、ブレンドのうえ割水され、3ヶ月間の音響熟成を経て約1年で出荷される。
DSCN0336.JPG 音響熟成中のタンクが並ぶ貯蔵室には、いつもクラシック音楽が流れている。タンク側面に取り付けられたトランスデューサーにより中のお酒に音楽が振動として伝わり、水の分子とアルコールが結合して、まろやかな口当たりの焼酎に仕上がるという。
 この音響熟成には周波数の抑揚のある音楽が最も効果的で、単調な振動では熟成がうまくいかないそうだ。DSCN0344.JPGお酒に聴かせる音楽は、モーツァルトやバッハの交響曲などを中心に約100曲が用意されている。タンクはそれぞれ微妙に大きさが違うため、タンク1台につき1台のアンプが割り当てられ、同じ酒質に仕上がるよう音響出力が微調整されている。
 現在、総勢42名が働く工場の杜氏を務めるのは、高妻淑三さん。一仕込みに米を約1.0トン、黒糖を約2.0トン使い、3台の蒸留機を回転させ1日に2回蒸留を行う忙しい工場を取りまとめている。

DSCN0339.JPG 創業者の渡氏は宇検村・湯湾を「開運の郷」と位置付け、湯湾を中心とした宇検村への観光客の誘致に取り組んできた。酒造蔵のほか、レストラン「宇検食堂」を開き、村立の宿泊施設「やけうちの宿」の運営を受託する。
 関連会社の(株)奄美大島宇検農産では、宇検村の生産者が育てたサトウキビを買い取り、黒糖を製糖している。この宇検村産黒糖は、限定生産の初留取り「FAU(From Amami Ukenson)」や奄美群島内地域限定販売銘柄「うかれけんむん」の原料となっている。
 平成13(2001)年には健康飲料工房を開設し、焼酎製造時の蒸留後に出る黒糖焼酎もろみの残液の再利用にも取り組んできた。このもろみを原料に開発した酢やドレッシングは、工場のショップで販売するほか、「宇検食堂」でも提供している。また、蔵がもろみを提供し、産学官共同研究により化粧品「あま肌」が開発された。
 これらの事業により、地元宇検村のほか都会からのUターン者や移住者など、多数の雇用を生み出してきた。村と協力して大学や実業団などのスポーツ合宿誘致にも力を注ぎ、平成22(2010)年には村の体育館で全日本女子バレーボールチームの紅白戦が開催され、蔵がスポンサーとなりスポーツ大会を開催するなど、地域の活性化にも貢献している。
 「企業も地域も存続していくのが使命」と考え「故郷宇検村に賑わいを」と願う渡氏の夢の種は沢山の人々を動かし、村では農業・製造業・飲食業・観光など地域全体をつなぐ様々な取り組みが育っている。


蔵見学について

DSCN0405.JPG見学可
時間帯 9:00 11:00 13:30 15:30
    日曜・祝祭日は、事前にお問い合わせください。
駐車場 有
要予約
問合せ先 Tel:0997−67−2753


見どころ

 蔵の事務所前に水場があり、仕込みや割水に使われている「開運の水」を味わうことができる。湯湾山系のさっぱりとした軟水で、浄化してあるので容器に入れて持ち帰ることも可能。容器は希望すれば事務所で提供してくれる。

 蔵の近くの販売所「うけん市場」では、宇検村の生産者たちが作った新鮮な野菜や、地元の方による手作りのお菓子、せっけんなどを販売するほか、村内の観光案内も行っている。イートインコーナーもあり、店内で休憩もできる。


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